導入の背景
岩手県を中心に地域密着で銀行業務全般を行う北日本銀行では、東日本大震災後、被災されたお客さまの状況調査や転居先調査等が急務となっていました。
10年ほど前、北日本銀行がローン審査の与信強化にジンテックの電話番号サービス“TACS”を採用していたこともあり、ジンテックのサービスを検討。定期的に全国のほぼすべての電話番号をクリーニングした過去24ヶ月分のデータベース“TACS-DB”が、非常に混乱していた状況に最適と考え運用を開始しました。
導入サービス内容
TACS-DBは、日本全国に流通しているほぼすべての電話番号を、“TACS”を用いて定期的に全件電話番号クリーニングし、過去24ヵ月分の利用状況を蓄積したデータベースです。フラットデータでの提供になりますので、他システムと連携したシステム構築等において、自由度の高い設計が可能です。
導入効果
電話番号履歴サービス“TACS-DB”を導入したことにより、被災者の連絡先確保が容易になり、またローン督促業務等においても管理業務精度が向上。いまでは、個人向けローンの初期審査・途上審査や無担保ローンの初期審査・途上与信として活用する等、幅広い業務において“TACS-DB”を活用し続けています。
「現在は、個人向けローンの初期審査や途上審査において、なりすまし防止や本人確認における側面情報として、当行および自行系列保証会社で“TACS-DB”を活用しています。当行では審査システムに同サービスを連携させ、申込のあった電話番号属性に応じた判定ロジックを構築しており、連絡先に懸念点がある顧客の排除に一役買っています。」と阿部氏。
また「審査担当の経験が浅くても判断しやすく、自行系列保証会社を含めたグループで活用できることを要件としたため、無担保ローンの初期審査・途上与信として活用しています。導入前に、ジンテックから様々な業態での活用事例などを踏まえた導入支援があり、電話番号属性の判定定義を構築したことで、よりスムーズに運用を開始することができました。導入後は、経験の有無にかかわらず判断が可能になったと好評です。
これからは、与信先の定期的な連絡先確認や、引っ越し等によるステータスの変化をより早期に発見する“TACS-DB”の特徴を活かし、中間管理等でも積極的に活用していきたいと考えています。」と先々の構想も視野に入れつつ評価していただきました。
今後ジンテックに期待すること
最後に、阿部様は次のように語っていました。「私たちは、今年インターネット支店を開設しますが、非対面での口座開設となるため、なりすましによる口座開設の排除等が肝要になります。これまでの経験から、その判断の一つとして電話番号情報を活用する予定です。今後も電話番号情報を顧客管理やリスク管理のキーとして幅広く活用していくために、ジンテックには各業界の活用事例も含めた様々な情報提供や、新しいサービスの開発に期待しています。」
あとがき
無担保ローンを積極的に推進する北日本銀行にとってジンテックの“TACS-DB”は非常に重要な役割を担っていることを感じました。今後も、世の中の潜在的なニーズに応えるサービスの提供に努めていきます。